『Deus Ex: Human Revolution(デウスエクス ヒューマンレボリューション)』をプレイした。

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一言で表すなら、「『Deus Ex』のレボリューション」
タイトルから解る通り、『Deus Ex』シリーズ
時系列に並べると、
『Deus Ex: Human Revolution』
↓
『Deus Ex』
↓
『Deus Ex: Invisible War』
今でこそ『Fallout3』、『Borderlands』、『Dead Island』に代表されるようにFPS+RPGの組合せは珍しくもないが、『Deus Ex』が発売された2000年当時は画期的な融合により大絶賛された。RPG要素とFPS要素のシナジー(相乗効果)は凄まじく、ストーリーの没入感も相まって傑作ソフトと呼ばれるに相応しい出来であった。本作は、その『Deus Ex』を更に革新化させたタイトルと言えよう。
本作の特徴は、「ステルス」、「戦闘」、「会話」、「ハッキング」の4要素を使い分けながら、攻略していくゲーム性にある。目的が最初に提示さられるが、それを遂行するに辺り、どのような手段を用いても構わない点が自由度に拍車をかけ、本作の特徴と化している。例えば、「ステルス」を重視して、敵に発見されないように潜入して目的地に辿り着く『メタルギア』的な遊び方、問答無用で敵を射殺するFPSライクな遊び方、知的な会話で相手を丸め込むTRPG的な遊び方、ハック大好きなハッカー的プレイと自分が好きなように攻略可能なのだ。無論、4要素全て組合せても構わない。時には戦いつつ、時にはハッキングによりロボットを敵に仕向け、時には会話で相手を丸め込み報酬を倍にしてもらうなど。
これらの要素は人体拡張により行われるのだが、当然、拡張制限があり、どのタイミングでどのように拡張するかにより、攻略難易度が大幅に変化する点も素晴らしいと言えるだろう。一度目は敵を殺してしまったが、二度目は全員殺さないプレイも可能であり、リプレイ性を高めている。この辺は、実際に遊んでもらったほうが分かり易い部分ではある。
『Deus Ex』発売から10年以上経過し、今日のグラフィック、システム性で蘇った『Deus Ex: Human Revolution』は、まさに革新的であり、自分なりの遊び方を楽しめる人には文句無しのソフトと言える。
欠点は、稀にHUDが消失するバグと、経験値に関係するゴーストの判定(敵に発見されず目的を遂行)が曖昧な点。HUDバグは一気に難易度が上がるため、洒落にならない。ゴースト判定は序盤はかなり効いてくるので注意。回避方法は極力敵に見つからないようにするぐらいか…。
『Deus Ex』のファンの方、名作RPG+FPSを遊んでみたい方、RPG、FPSが好きな方には文句無しにお勧めできるソフト。ただ、Z指定なのと、決められた攻略法が好きな方、FPSで酔う方にはお勧めしない。楽しさを見出す前に投げる可能性が高いだろう。
クリア時間は、全てのミッションをクリアして20時間前後。
実績は、狙えば600前後。
『Deus Ex』既プレイ者は、是非、最高難易度「Deus Exマスター」を選択し、実績「平和主義者(誰も殺さない)」を狙ってほしい。『Deus Ex』のあの難易度と閃きの攻略性を再び味わうことができるだろう。そして、エンディング後の会話に驚くべし!
個人的感想:前作『Deus Ex: Invisible War』がクソだったのと、開発会社のEidosがスクエニに買収されたので、どんなソフトになるかと懸念していたが、蓋を開けてみれば、『Deus Ex』に回帰したようなソフトであり、非常に素晴らしい出来だった。個人的には、今年のGOTYは本作か『Gears of War 3』 で決まり。相変わらずのトライ&エラーは楽しく、攻略法を発見した時の喜びは他ソフトでは味わえないものだ。ストーリーも『Deus Ex』へと続く内容であり、文句無し。制作陣が当時の制作陣をリスペクトしているのが良くわかる。10年前の大傑作が今になって遊べるとは、本当、続編を待ち望んで良かったと思える作品だった。当時ほどの感動は無いにしろ、FPSとRPGの融合の凄まじさを見せつけられたソフト。恐らく次回作は出ないだろうけどね…。