『Fable Ⅲ(フェイブル)』をプレイした。

一言で表すなら『常に決断とその決断に対する責任を取らされるゲーム』
タイトルから解る通り、『Fabel Ⅱ』の続編。
鬼才ピーター・モリニューが鬼才ぶりをいかんなく発揮したソフト。当人がパラメータ表示が嫌いと宣言している通り、今作は恐ろしいほどパラメータ表示が見当たらない。常に主人公が画面の中央に納まり、その傍らで物語が展開していく。近接攻撃、遠距離攻撃、魔法攻撃と王道の攻撃方法を駆使しながら冒険をする点は従来の『Fable』と変わらないが、より世界に介入できる部分が本作を魅力的にしている。主人公はアルビオンの王である兄の弟(もしくは妹)としてストーリーに絡むが、開始5分にして、恋人を処刑するか、デモの代表を処刑するかの二択を迫られる。恋人を処刑すれば民衆からの支持は得られるが、恋人は二度と登場しない、代表を処刑すれば、当然支持者の心は離れる。開始早々から嫌な葛藤があり、物語にグイグイと引っ張り込まれるのは流石の一言。
決断により、世界は変化し、自分も変化し、使用する武器すらも変化する。行動一つが全て物語に直結しており、一体感の凄まじさを味わうと同時に、自分の行動に対する影響力の高さに唖然となる。当初は兄を倒すのが目的であり、革命の準備をしつつ自分を鍛え、仲間を集めることになるのだが、ここら辺は洋ゲーらしく、相互利益の上で協力することになる。この協力関係が後々影響を及ぼすのだが、ここも上手く作られており、大義を貫くか、民衆のために鬼となるか、そこはプレイヤーに委ねられる。先ほどから決断の話しか書いていないが、まさに決断ソフトなので、特筆しておきたかった。
RPGとして見た場合、メインクエスト、豊富なサブクエスト、善悪が絡むクエストと多めに用意されている。進行に伴い町が発展したりと、やりがいのある要素も多く、革命を忘れてついついやりたくなるものが多い。武器も成長要素があるため、レベルアップさせる度に見た目がどのような形状になるのか期待してしまうだろう。防具は基本的に見た目重視のため、好きなのを選べば良いが、遊び心を忘れていない点は素晴らしいの一言。そして、Z指定ならではの、ダークな演出と、避妊具などのウフフなアイテムだろう。結婚、子作りなども可能な点で察して欲しい。
まとめると高いレヴェルでまとまっている作品であり、本当にロールプレイング可能なのは素晴らしいと思う。
ただ、欠点もあり、一つは処置落ちの多さ。ロード時間は(インストールすれば)比較的短いが、処理落ちは頻繁に起こる。特に混戦状態での処理落ちは不満を鬱積するには充分なレヴェルであり、箱○の性能の低さを露呈している。気にならない方は問題ないが、気にされる方は注意してほしい。後は、定番のクエストが進行しなくなるバグ、男女表現が異なる箇所がある。クエストは管理ミスだと思われるので、遭遇したらゲームをリスタートすると治る可能性もある。自分は治らなかったので、最初からやりなおした。男女表現は主人公の性別をNPCが間違える。複雑な処理のためこれはしょうがない部分だと思う。微細な欠点なので、欠点の存在を認知するだけで良いと思う。
プレイ時間は、クリアまでのほぼ全てのクエストをこなして24時間前後。ストーリーだけを追えば16時間前後。収集系をこなすと36時間前後と思われる。
実績は普通にクリアして、450前後。狙ってクリアすれば600前後は可能。1000狙うにはフレンド必須。
RPGが好きな方には文句無しにお勧めなソフト。日本のRPGとは系統が異なるので外国産のRPGを普段プレイしない方は戸惑われるかもしれないが、すぐに慣れるので、ぜひプレイして欲しいと思う。RPG嫌いならば止めておいたほうが良い。
気になる方向けに、初回限定版の中身に関して。
巨大な本が付属。中にコインとトランプ。
限定版DLC(ダウンロードコンテンツ)は、
・最後まで使用可能な高性能ソード「ウルフキラー」
・実績解除に役立つ、自分の家(価値6万G)
・プレイヤーの好み次第な服
・プレイヤーの好み次第な犬の変更薬
早期予約特典は、
・公式サイトで作成した人物を劇中に登場させるコード。
1000Gが貰え、簡単なクエストを依頼してくれる。序盤の1000Gは美味しいので、入れておいて損はない。勿論、結婚可能。
ゲーム追加コンテンツ
・悪人向きのハンマー(序盤は攻撃力的に役立つ。終盤はキャラの善悪次第)
・悪人向きの長銃(ハンマーと同じ)
・ポーション類(あれば良い程度、使用しても売ってもOK)
・プレイヤーの好み次第な犬の変更薬
マイクロソフトポイントで購入可能なスーツ(DLC)
・犬のスーツ。実用性皆無。趣味物。160ポイント。
クリア後の感想。選択の重要性を嫌と言うほど味わったソフト。善行をしていれば最後は助けてくれるよねと思っていたけど、甘かった。容赦なく最悪な結末を迎えた。後味最悪。世の中、綺麗事だけではないと解っているがそれにしても酷いオチであった。国のために民衆を犠牲にするのは良くないが、国が滅べば民衆もまた滅ぶ。このさじ加減をどうするか考えるのが面白いのだろうな。
「2週目は悪人プレイやってみる。Fableの醍醐味は悪人プレイだよなぁ」