久々にゲーム株のお話です。興味のない方はスルーして下さい。
昨日、電話がかかってきました。
相手「おい!おいっ!『FF7』のリメイクが発表されたけぇ、スクエニ株買ったの下がったじゃないか!どういうことよ?!」
自分「仮需が剥がれてドーン!」
相手「意味解らん」
自分「いや、あんたは理解しろよ」
相手「詳細希望」
自分「電話じゃ説明難しいんでブログに書いとく」
相手「素人でも解るようによろ」
まずは、こちらをご覧下さい。

GMOクリック証券から取得したスクエニの5分足のチャート(株価を線で表したもの)です。期間は『FF7』リメイクの発表のあった6/16から翌日の6/17までです。(下の棒グラフは出来高を表していて、売買された株価の量を表しています)
まず、株価がどうして変動するかを説明します。
株価はニュースを見て、投資家がどう判断したかによって動きます。
例えば、今回の『FF7』リメイクの発表を見て、
「おぉ、ついに『FF7』リメイクが発売される。スクエニはこれからどんどん利益を出すぞ!」
と思う投資家がいれば、逆に
「馬鹿がっ!ついに伝家の宝刀抜きやがった。もうスクエニも終わりだな」
と思う投資家もいます。
当然、前者は値上がり益を期待して、スクエニ株を購入します。後者は反対に株を売ります。
ここで、重要なのが株価は買う側の資金量と売り側の資金量の大きさで決まる点です。
仮に、スクエニ株を買いたい人が99人いて、1人が100株購入した場合
99×100=9900株
売りたい人は1人だけど1人で10000株売った場合
1×10000=10000株
結果 「売り10000」>「買い9900」なので株価は下がります。
ニュースを見て、資金を多く持つ投資家がどう動くか?これが重要になります。
もう一度、書きます。ニュースを見て「他人がどう動くか?」これが重要です。
これらを踏まえて、もう一度チャートを見ましょう。

①が『FF7』のリメイクが発表された時間です。驚きのニュースでしたので、株価は即座に反映しました。このニュースによりスクエニ株が上昇すると思った投資家が多かったのでしょう。スクエニ株が大量に買われました。購入した彼らを仮需と呼びます。仮需は株価に勢いをつけます。そして、スクエニ株を本当に保有したいと思った人達(実需)が流れてくると、株価は上昇傾向になります。(仮需はボラティリティを作り、実需がトレンドを作る)
時間経過と共に利益を確保したい人達が株を売り、以前からスクエニ株を持っていた人達が利益を得るために株を売るため株価は一度下げます。この現象を調整と呼びます。
調整された株価を見て、これまた幸いとスクエニ株を購入する人達が現れ株価は上昇、その後利益確保のために調整と何度も同じことを株価市場が閉まるまで繰り返します。
市場が閉じた後、投資家が考えることはなんでしょうか?
それは、自分が所有している株についてです。
今回、スクエニ株を購入した投資家はスクエニについてもっと調べたくなるでしょう。
スクエニの企業情報を見たり、他の『FF』シリーズの情報を漁ったりします。
さて、沢山の投資家がスクエニ情報を調べた結果、辿り着く結論はなんでしょうか?
・「明日はスクエニのカンファもあるし、スクエニの株価は上昇する、このままスクエニ株をさらに買おう!」
・「明日のスクエニカンファではもうこれ以上の驚く発表は無いだろう。失望売りが出そうだから売ろう!」
みたいなところです。買いにも売りにも行ける材料はあります。
結果は②です。
売りたい投資家の資金が多く、株価は一気に下がりました。
この下がった株価を見て、不安になった投資家が株を手放すので、また株価は下がります。
ある程度、株価が下落したところで、今度は上がると思う人達が株を購入するので、また株価は上昇します。
それらを市場が閉まるまでまた繰り返します。
個人的な見解では、『FF7』のリメイク発表で仮需がついて株価は上昇したけど、『FF7』リメイクの発売日が未定だったこと、06年に発表された『FF15』(当時は『FF13』)が未だに発売日未定なこと。開発が遅いので開発資金がとんどもないことになっているなどの悪材料が懸念されて一気に売り優勢になり仮需が剥がれ、株価が下落したのではないかと思います。
「進捗状況は公表できませんが頑張ってます。いつか良いソフトが発売されます。あなたの忍耐に感謝します」なんてのを投資家は何年も聞かされると、投資する気がなくなるでしょう。
トレーダとしては、どう動くべきだったのか?
理想は①に乗ることですが・・・普通は無理ですね。(実際、自分も乗れませんでした。MSのカンファが凄すぎてブログ更新していたり、MSカンファの情報を収集していたらいつの間にか値上がりしていました)
なので②に乗ります。①は常時目を光らせていなければ無理ですが、②は数時間以上時間があるので余裕で乗れます。
無論、それまでにトレードシナリオの構築は必要です。
トレードシナリオは
「今回の発表を受けて、他トレーダーが明日どう動くか?」です。
そこは自分なりに考えるしかないです。これまで培ってきたゲーマーとしての勘を信じるも良し、トレーダーとしてのスキルを信じるも良しです。(自分は上記見解の考えでしたので、そのシナリオに沿って動きました)
①と②に乗れればおおよそ10%の利益が出ています。E3のイベントトレードとしては悪くはないのではないでしょうか?
今後のスクエニの株価がどうなるかは解りませんが、次に変動が起こるポイントは容易に予測できますよね。
今回の件で言えば『FF7』の発売日決定のニュースでしょう。
シナリオとしては
・発売日が早いケースと遅いケースが上げられます。
早い場合は
・「スクエニ頑張った、これで株価上昇間違いなし!買い!」
・「開発期間短くて大丈夫かよ?手抜きゲーでの小銭稼ぎだろ、売り!」
遅い場合は
・「スクエニは細部まで作り込んできた、ヒット間違いなし 買い!」
・「相変わらず開発遅い!どうせ延期するだろう売り!」
他にも『ドラクエ11』が発売されるプラットフォーム(機種)や発売日でこれまたインパクトありそうですね。
『ドラクエ』シリーズはその世代で一番評価されているプラットフォームで発売されるので、
『3DS』で発売されれば任天堂の株価が上がるかもしれませんし『Xbox One』で発売されればMSの株価が上がるかもしれません。(箱1は冗談です。流石に海外プラットフォームで発売はないでしょう)
余談ですが『モンハン』の最新作が発表されるとカプコンと開発会社のエイティングの株価は上昇していました。
なので、トレーダーとしては常にトレードシナリオを考えつつ、相場を見ておくと収益機会があると思います。これは他の分野にも言えることです。
最後に、儲かるかどうかは貴方次第です。あくまでも収益機会があるだけで物にできるかどうかはトレーダーによるところが大きいです。ただ、トレードシナリオの精度を上げることはできます。それは経験です。多くのゲームをプレイすれば画面を見ただけで面白いゲームかクソゲーかどうか解るように、多くのゲームをプレイしながらゲーム開発会社やハード開発会社の資金の流れなどを見ていくとニュース発表後のシナリオを高い精度で構築できます。自分の好きなことをしつつお金が増えると最高ですね。